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コラム
<WINGの新連載がゲームコミックばかりで大丈夫なのか?> 2005.03.11

 5月号からは「ワイルドアームズ」、6月号からは「ひぐらしのなく頃に」というゲームがコミック化されるらしいです。新連載として、「マビノ×スタイル」「ラジアータストーリーズ」と立て続けでゲームコミックですか……。ガンガン本誌が路線変更をするのは全く構わないんですけど、WINGを巻き込まないでほしいなぁ。純粋にWING作品を楽しみたいんですよ、僕は。ゲームコミックって旬を逃したら終わりだし、即効性はあってもすぐに効果がきれてしまうと思うのです。
 僕が農学部なんでこんなたとえになってしまうんですが、化学肥料を使った畑はやがて土が固くなったりで土壌が流出して、野菜が育ちにくくなってしまうんですよ。逆に自然農法は、確かにすぐには効果は上がらないし、手間隙かかりますけど、循環型社会に適した農法であるわけです。つまり、畑が長持ちします。
 それと同じなんじゃなかろうかと。
 今年に入ってから、スクエニ雑誌の新連載の半分以上はゲームコミックです。
 畑の外から取り入れたもの、つまりはゲームとかそういうジャンルのコミック化は、その作品のファンを取り込むことができてすぐに目に見える効果(雑誌の売上増?)が上がるかもしれません。けど、そのあと続くのかなぁと思うわけです。ゲーム作品の人気は、ゲーム発売後からある一定期間保たれ、そして落ちていくのでしょう。そもそもゲームが好きな人は単行本だけ買って雑誌は買わないと思うのです。しかも「ひぐらしのなく頃に」に至ってはWINGだけでなく、Gファンタジーやパワードまで巻き込んでのコミック化が始まるようです。「ラジアータストーリーズ」もWINGとGファンタジーでの同時連載です。これはどういう流れなんでしょうか……。
 ガンガン本誌以外のスクエニ雑誌の売上が悪いであろうことは認めます。認めた上で、ある種ヒステリーを起こしたかのような新連載攻勢はどうなのだろうと思います。
 「ひぐらしのなく頃に」をプレイしたことはないですし、作品の評判をネットで調べたわけでもありません。だからその作品がどうとかを論じるつもりはありません。問題は、スクエニ雑誌をすべて同じ色に塗り替えてしまおうとするその姿勢です。
 雑誌にはそれぞれ色があります。WINGは「ゆる萌え」です。今僕が勝手に決めました。Gファンは最近読んでないのでよく分かりませんが、WINGで言うなら「KAMUI」や「BEHIND MASTER」あたりが主流で「まほらば」はメインにならない雑誌じゃなかろうかと。少なくとも「ぱにぽに」を当てにしてGファンを読んだら他の作品が肌に合うかは微妙です。あ、最近だと「ティルナフロウ」とか「隠の王」とかはいいと思いますよ。まあとにかくGファンは本格派な雰囲気を漂わせている気がします。ガンガン本誌はどうなんだろう、編集長が言うには少年漫画路線らしいです。最近のガンガンは何がしたいのか僕にはよく分かりませんが。
 まあとにかく、それぞれの雑誌で違うことをやってきたのだと僕は思っています。
 それなのに同じ作品を一緒に始める、ゲームコミックばかりをスタートさせるという姿勢はその雑誌の色を全部一緒にしてしまう行為です。確かにスクエニという会社はゲームの方がメインなのかもしれません。他の雑誌に対抗するためにゲームコミックを売りにしようということなのでしょうか。自社製品のコミック化ならまだしも、今回の新連載が半分くらい他社なのも(調べてないので子会社とかの可能性は否定しませんが……)、雑誌に引き込もうとせんがためなんでしょうか……。そこまでスクエニ雑誌は窮地に追い込まれているのでしょうか……。だったらなおさら、いろんな作品を出してみるべきなんじゃないでしょうか。全部同じにしたらそれぞれ別の雑誌に分かれている意味がないし、最悪共倒れしてしまうのじゃないかと思うのです。
 一番解せないのは、「ひぐらしのなく頃に」「ラジアータストーリーズ」の同時進行にガンガン本誌が絡んでいないことです。ガンガン本誌を巻き込み、ゲームコミックによって他の雑誌とリンクさせるならまだ全体の売上を高めようとする姿勢なのかなぁと思えます。一番売れているのはガンガン本誌なのですから、そこから掛け橋のようにして他誌を支援するのが同時進行としては理想じゃないかと。正直戦力としては弱いWINGやGファンを繋げたところで本当に効果があるのか。効果がないのならガンガンは何がしたいのか……もうさっぱりです。パワードで連載する「ひぐらしのなく頃に:鬼隠し編」は、WING「綿流し編」やGファン「祟殺し編」の連載と単行本発行ペースが合わせられないのではないでしょうか……なぜガンガン本誌が絡まないのか。
 僕がWINGを初めて買った理由は、ガンガンヴァーサスというカードゲームのカードがほしかったからです。それでWINGを買って、面白い作品が載ってるなと思って買い続けるようになりました。こういった掛け橋は他誌への導入として有効な手段です。本誌以外の作品「まほらば」「これが私のご主人様」がアニメ化するので、そのためにWING、Gファン、パワードを繋げておこうという作戦なのでしょうか。でも視聴率は「鋼の錬金術師」とは比べ物にならないくらい低いでしょうし、アニメを見て雑誌を買い始めた人が、ゲームコミックが連動しているからといって他の雑誌に手を出すのかどうかは疑問が残ります。どういう意図でゲームコミック連動戦略が取られているのか、どうにも理解できません。

 WINGという雑誌は金の翼大賞で受賞した作家さんをたくさん活躍させようとしています。意欲的に新人さんの作品を載せていると思うし、僕はそういうWINGの姿勢がすごく好きでこんなサイトをやっているわけです。そしてそういう雑誌の方が地味でも長続きするんじゃないのかなぁと思うのです。最もやばかったブレイド騒動をもWINGは乗り越えました。そういうたくましさが素敵です。でも会社としては売上が地味なのは困るのでしょう。資本主義社会ですものね。

 僕はゲームコミックの効果をあまり期待していません。あっても一時的なものだと思います。ゲームなんてどんどん新作が出るんですから、その流れに追いつけるわけがないんですよ。そしてどんどん置いていかれるんですよ。そんな印象を持っています。あんまりゲームコミックが増えると雑誌を応援するのが厳しくなるかもしれないので、サイトの方向転換も考えないといけないのかなぁ。
 せいぜいガンガンが自滅しないように祈っております……。それとも、こんな心配は杞憂で、大成功を収めるのかもしれませんが……。
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