maho nazo
ピックアップ、バラさん
 鳴滝荘の白(?)一点、灰原由起夫。通称バラさん。まあ白鳥君がやってきた時点で白一点でもなくなってしまったのだがそれは言わないことにしましょうね。
 彼の特徴と言えば当然のことながらその手に輝く「流星ジョニー」である。ジョニーは由起夫を下僕扱いしており、本人は自分が本体であると言い張っている。
 しかし、そんな奇特なキャラクターを持ちながらも、他の住人に押されバラさんとジョニーの出番はいまいち(というか全力で)少ない。

 今回はそんな不運のキャラクター、灰原由起夫&流星ジョニーを特集する。


・まずは人気投票の結果

 すでに別ページで考察をしているので書かなくてもいいかもしれませんが一応。
 灰原由起夫がキャラクター投票で10位。そして流星ジョニーがマスコット投票で1位でした。まあよくジョニーがいればバラさんの順位はもう少し上だったということが言われていますが、個人的にはそんなに変わらない気がします。だってジョニーファンはキャラクター投票だったらバラさんに入れると思うんですよね。むしろジョニーとバラさんが別々でキャラクター投票された場合のバラさんの順位が目も当てられなくなってしまう気がします。
 ……まあそんなことを言っても埒があきませんが。


・実はジョニーは2代目?

 みなさんはジョニーが変化していることにお気づきでしょうか。第1巻でのジョニーと、第3巻あたりからのジョニーでは微妙に違っている部分があるのです。それは、耳です。
 第1巻でのジョニーは耳が太いです。しかし2巻以降では細くなっています。そして以降どんどん細くなっていくのです。最終的には「これ、ひも?」ってくらいに細くなってしまっているのです。これは一体何を意味しているのでしょう。
 小島先生がいちいち書くのがめんどくさくなったとかいう悲しい結論はあらかじめ排除しておくことにします。
 その理由として僕が考えたのは、ずばり目立ちたかったからではないでしょうか。あるいは会話の糸口にしようと企んだのではないかと考えられます。
「あれ、ジョニーの耳細くなったわね?」
「ちょっとイメチェンしてみたんダ」
「スマートになっていいんじゃないの」
「ふ、隠しても気付かれちまうもんだナ……」
 などという会話を夢想していたに違いありません。
 頑張れバラさん、そしてジョニー!!


・一刻堂もびっくりだぜ、バラさん

 バラさんはいつ何どきでもジョニーを介してでしか言葉を発しない。まあ例外はあったが。その職人芸はあの一刻堂をも凌駕すると言っても過言ではない。
 ではその一部始終をごらんいただこう。(マネーの虎風)

 第7話「かくれんぼ」
 この話は、バラさんがいかにジョニーを大切に思っているか、そして彼の腹話術の技術の高さを見せつけるお話でした。
 タイトルの通り鳴滝荘を使ってのかくれんぼ大会が行われました。そこでバラさんが隠れたのは池です。池に隠れること自体はまあいいのですが、しかしバラさんはジョニーを池の水面でばたばたさせていたのです。
 これは、バラさんがジョニーを水に浸からせたくなかったのだろうと考えられます。あるいはジョニーは息継ぎの最中だったのかもしれません。そこには愛が、そして職人としての徹底振りがうかがえるのです。彼らにとってかくれんぼに勝利することは二の次、自らの信念を貫くことそこがすべてだったに違いありません。
 さらに特筆すべきことに、バラさんは水中にいながらにして会話を成立させています。しかもあの空気を吸う竹筒を通して。これは常人になしえる技ではない、はず。
 というわけで、第7話に勝手に「技能賞」を進呈。

 第12話「今この時を」
 この話はバラさん&ジョニーを語る上で外すことのできない話となりました。なぜなら、4コマのうち2本がバラさんとジョニーだけで構成されているからです。これは貴重です。

 ではまず「それはいわないで」「いちたすいちはいち」を検証していきましょう。
 まずこの話で確認しておかなければならないのは、そこにはバラさんしかいないということが分かっているんじゃないかなぁということです。その前提があるのなら、バラさんは誰もいないと分かっているのにジョニーとして話をしていることになります。一人になったらめんどくさくなって自分の口を開きそうなものですが、しかしそこに妥協はありません。いつ誰が背後から迫ってくるやもしれません。そのときのために、バラさんはたとえ一人になっても自ら口を開くことはないのです。職人です。川相です。
 そしてさらに特筆すべきは、飛ばされていくジョニーに対して「ノー」とふきだしがあることです。いったんバラさんの手から離れたにもかかわらず、あたかもジョニーが話しているように話す、これはすでに職人の域すら越えています。達人です。鉄人です。川相です。
 やはりバラさんとジョニーは切っても切れない関係だということも、ここで改めて確認されました。
 ジョニーとバラさんの熱い絆、そして熟練の技を見せつけてくれる話でした。

 また、「ひょーい」では、バラさんが寝ているときはさすがにジョニーを手放していることが分かります。しかし、たとえジョニーがいなくて慌てていてもそれを口に出すことはありません。

 第15話「……かも」
 バラさんと珠ちゃんのコンビが組まれた珍しい回です。この話の中で、珠ちゃんはドワルガーを操り、ジョニーと寸劇を繰り広げました。「あれをやるのか」と言っているところからすると、前もって打ち合わせがなされていることは言うまでもありません。あるいは、棗ちゃん対策ということでいつかやろうと計画を練っていたと思われます。
 そのコンビはなかなか息のあったものでした。

 第19話「いろいろ」
 この話では魚子ちゃんにジョニーを奪われてしまいます。ジョニーを奪われてしまったバラさんは、代わりにもらったグレードネコロンダーを使い、新たにジョージという役どころを開発しました。しかししっくりこなかったのかどうかは定かではありませんが、すぐにバラさんは布団に潜ってしまいました。
 やはりバラさんにはジョニーしかいないんだなぁと改めて感じる回でした。

 第21話「こわい?はなし」
 ここでは、バラさんのジョニーに対する熱い思いがさらに如実に表れます。
 ジョニーの恐怖体験の途中で話を止められ、ジョニーを部屋の外に投げ捨てられたバラさんは懸命に追いかけます。そしてダイブ、キャッチする寸前のバラさんの至福の表情は言葉では語り尽くせぬほどの高揚、感動を訴えかけます。その後の悲しい結末はさておき、あるいはそこまでしてでもジョニーを手放せないというバラさんの心意気は、現代社会に失われてしまったなにかを思い出させてくれるのではないでしょうか。

 第33話「シロクロミケトラマフィア」
 この話ではジョニーが野良猫によって奪われてしまいます。ジョニーを探してバラさん桃さん白鳥君が鳴滝荘を探索していくという話。
 ここではバラさんはしゃべらなければならないという状況に追い込まれたはずなのですが、それでもジェスチャーと筆談で意思疎通をしてしまいました。ここまで徹底して自らしゃべらない理由は今現在わかっていません。また、ジョニーを見つけたときのバラさんの至福の表情は前回にもまして必死さやひたむきさが伝わってきます。
 取り返した後、ジョニーを取られないように紐でしばってあるのもポイントですね。


・ジョニーはいつ生まれたのか?

 バラさんとジョニーはどこで出会い、そして今に至るのか。それはまだ語られてはいません。しかし、その謎を解明するヒントは21話にあります。そう、ジョニーの怪談話です。

 ジョニーの怪談話の前口上はこのように始まっている。
『これから話すのはオレが実際に体験した身の毛もよだつ恐ろしい話。……それは今から10年程前暑い暑い夏の夜のことだった……。当時まだ生まれて間もなかったオレは家出をして全国を旅していた』
 つまり、ジョニーが生まれたのは10年程前だったということになる、のかもしれません。その後の珠実ちゃんが言うように、ジョニーが一生命体として扱われている時点で信憑性が著しく失われていることも確かです。

 また、20話では青春ドマンナカなみんなに対して、
『若いってのはいいよなぁ、なぁ灰原。俺たちいつからああいう無邪気な心を無くしちまったんだろうな』
『オレも若い頃はブイブイいわしてたもんだが、寄る年波にゃ勝てんなぁ』
 と、切ないセリフを口にしています。

 ジョニーの言が正しいと仮定すると、ジョニーは現在10代のはずです。しかし同時にすでに青春が終わってしまったとも言っています。20話、21話での発言ですので、時間はほとんど経っていません。ジョニーは犬ではないらしいのですが、しかしその年齢水準は犬と同等なのかもしれません。少なくとも人間と同じに考えてはいけないということになります。そもそも、生まれて間もないのに家出をするという言葉もよくわかりません。2、3年程度ですでにある程度の自立ができると考えるのが自然でしょう。
 ジョニーが生まれたのはおよそ13年前くらいでしょう。しかし人間に換算すると1年で3才年をとると仮定した場合ではおよそ40才になります。まあこの過程に根拠は無いのですが、まあおおむねそのくらいではなかろうかと思います。
 しかし、いつバラさんと出会い、そして主従関係が結ばれたのかということは分かりません。
 ただ、27話は珠美ちゃんの過去話になっているのですが、珠実ちゃんが鳴滝荘に入居したときにはすでにジョニーを手にしたバラさんがいました。少なくとも4、5年前からジョニーとバラさんの関係があったということです。それ以上のことはまだわかりません。


・彼らの未来はどうなのか?

 第17話「部長」の中で、部長がバラさんとジョニーを占う場面がありました。そのときは燃え尽きてしまったジョニーでしたが、果たして部長が暗示した未来とは一体いかなるものだったのかを検証していきます。

 まず彼らを象徴するカードは「ハーミット ナイン」、隠者のカード。そしてそれは、俗世を離脱した賢者、澄んだ知性の持ち主ということらしいです。おそらく、まほタロにおいてもバラさんはこのカードで登場すると思われます。
 また未来の暗示は次の通りでした。「長く平坦な道」「果ての岐路」「大きな干渉」「決断の時」。
 他のキャラと比べて未来への暗示が少ないのが気にかかるところです。年の差か??

 「長く平坦な道」──これはあまり考えたくありませんが、バラさんの出番はこのまま変化なく平坦なものであるということでしょう。
 「果ての岐路」──これはその長く平坦な道の先に、ようやくバラさんメインの話がやってくるものと思われます。そしてそこではバラさんに大きな出来事が待ち受けているはずです。
 「大きな干渉」──これはちょっと分かりませんが、バラさんに何か迫られるということでしょうか。それは鳴滝荘を巻き込むことになるのかもしれません。
 「決断の時」──そして岐路、干渉とバラさんを揺さぶる出来事が起こった後、バラさんに決断のときがやってくるのでしょう。それが何であるのか、今は見守るしかありません。


 33話で、バラさんメイン(?)の話がありました。ただ、これが「大きな干渉」だったかどうか分かりません。少なくとも「決断の時」ではない気はしますが。これからも静かに見守っていくしかないようです。



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